ツバル写真集・地球温暖化でツバルは沈むか?

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                   なぜ浸食されるのか?3

 フナフチ島の海岸浸食は、第2次大戦中の米軍による埋立地が削られているに過ぎません。ただし、現在のツバルでは、もう1つ憂慮すべき事実があります。こちらのページ(こことかここ)では、ツバルの国土が生物由来の材料でできていることを紹介しました。生物由来の材料とは有孔虫サンゴ石灰藻などです。

 ここで、フナフチ島の内海の中を少し覗いて見ましょう↓。

(2008年3月8日、フナフチ島内海、バイアクラギ・ホテルの前)

こちらのサンゴと全く様子が違う事が分かるでしょう。「サンゴ」のページで示した写真は、フナフチ島北部外洋側、およびフナフチ自然保護区内のサンゴです。対して上の写真はフナフチ島中部内海側、つまり最も人口の密集している地域です。サンゴは死に絶えて藻が生えています。さらに、こんな風景もたくさんありました↓

(2008年3月8日、フナフチ島内海、バイアクラギ・ホテルの前)

サンゴは無くなって藻場と化しています。この藻の下にはサンゴの死骸が積み重なっています。外から見た目は非常に綺麗な海なのですが、実は海中では大きな変化が起こっていたのです。フナフチ島中部内海にはサンゴ礁はもはやありません。もちろん有孔虫もいません。つまり、砂浜の砂を作ってくれる生物が死に絶えているのです。

こちらのページで、砂浜の砂は波によって削られるだけでなく、波が砂を運んでくることもあることを示しました。しかし、フナフチ島中部では、砂を作ってくれる生物がいません。だから削られる一方なのです。なぜ、サンゴが死に絶えてしまったのでしょうか?それはおそらく人口の過密による生活排水や、適切に処理されていないゴミによる水質汚染だと思います。

排水や廃棄物が水を汚染する → サンゴや有孔虫が死んでしまう → 砂が供給されなくなり海岸浸食が進む
こういう図式が見えてきます。

      
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『地球温暖化でツバルは沈むか!?2008』